韓国は学生から社会人まで幅広い世代に人気の留学先です。学生時代にできなかった韓国留学を、社会人になってから実現しようとする人もたくさんいます。
今回は、社会人が韓国留学する目的や留学の方法、身につく語学力などについて詳しく解説します。
韓国留学する社会人は多い?その目的は?
以前に比べて、韓国留学をする社会人は増加傾向にあります。思い切って長く勤めた会社を辞めて韓国留学へ行く人も少なくありません。学校を卒業して一度は就職したものの、韓国留学へのあこがれを捨てきれないでいる人もたくさんいます。
実際に韓国留学へと踏み出す社会人は、どのような目的を持っているのでしょうか。
人によってその目的はさまざまですが、最も多いのは韓国語を上達させるためです。一度社会に出たからこそ、自分の武器となるスキルを身につけたいと考える人が多いようです。
その他にも、海外で暮らしていく生活力を磨きたい、日常生活では味わえないいろいろな体験がしたい、と考える人もいます。社会に出たからこそ、いろいろな人と出会う中でもっと違う世界を見たいという気持ちが芽生えるのかもしれません。
社会人に韓国留学がおすすめの理由
韓国は、社会人の留学先としてとてもおすすめしたい国です。実際に多くの社会人が韓国留学を選んでいます。その大きな理由として次の3つが挙げられます。
気軽に留学しやすいから
韓国は欧米諸国と違い、日本から地理的に近く渡航しやすい国です。それに加えて、韓国の語学堂や語学学校では、日本の年間スケジュールに合わせて留学プログラムが組まれています。
例えば、日本の多くの社会人が会社を休むことのできるゴールデンウイークや年末年始に合わせた集中プログラムが開講されています。
最短ではわずか3日間のプチ留学もでき、旅行+αの感覚で気軽に留学できる環境が整っているのです。
費用が安いから
他の国と比べて、韓国は留学費用がとても安く済みます。語学堂や語学学校によって異なりますが、授業料は1ヵ月で600,000~1,200,000ウォン(約60,000~120,000円)程度、滞在費や生活費をあわせても2,000,000ウォン(200,000円)以下で留学ができます。
会社勤めの社会人であれば、事前にしっかり準備をすることで韓国留学を実現させることができるのです。
ワーキングホリデー制度があるから
社会人が利用しやすい留学制度といえばワーキングホリデー。韓国を含む29ヵ国でこの制度を利用することができます。
30歳以下という年齢制限はありますが、勉強だけでなくアルバイトをしながら韓国での生活を体験できるのが最大の魅力。
社会人だけに与えられた特別なチャンスといっても過言ではないでしょう。このワーキングホリデーの存在が、社会人の韓国留学を後押ししているといえます。
社会人に人気の留学方法と費用
それでは、実際に社会人はどのような方法で韓国へ留学しているのでしょうか。社会人に人気の留学方法とそれぞれの目安となる費用をまとめました。
民間の語学学校
まず、社会人が最も選びやすい韓国への留学方法は、民間の語学学校です。なぜなら最短3日から、長ければ1年まで、留学プログラムの期間を自由に選べるからです。
週末や有給休暇を使って超短期留学をする人もいれば、1週間~10日程度の年末年始集中プログラム、会社を辞めて1年間の長期留学する人までさまざま。自分の希望に合わせて期間を選べるのが語学学校の最大のメリットです。
もちろん、語学学校でも韓国語の授業だけでなく、午後は韓国の文化体験が組み込まれています。伝統衣装の試着や伝統楽器の演奏、韓国料理などさまざまな体験ができます。
たとえ短期間でも、内容がしっかり充実した留学生活を送ることができるでしょう。
語学学校に留学する場合、目安となる費用は次のとおりです。
授業料 | 滞在費(コシウォン) | 生活費 | 合計 | |
1ヵ月 | 約7万円 | 約5万円 | 約5万円 | 約17万円 |
3ヵ月 | 約18万円 | 約15万円 | 約15万円 | 約48万円 |
半年 | 約35万円 | 約30万円 | 約30万円 | 約95万円 |
1年 | 約70万円 | 約60万円 | 約60万円 | 約190万円 |
大学付属の語学堂
次に、大学付属の語学堂です。語学堂は1年を4学期(春夏秋冬)に分けた10週間の正規課程と、夏季や冬季に開講される短期集中課程があります。語学堂に通う留学生の目的はさまざまで、中には大学や大学院への進学を目指している人も。
民間の語学学校のようにスケジュールを自由に組むことは難しく、大学が発表している年間スケジュールに合わせて飛行機を予約し渡航することになります。
会社勤めの社会人にはなかなか難しいため、会社を辞めて留学ビザやワーキングホリデーを取得した人が通うケースが多いでしょう。
語学堂に留学する場合、目安となる費用は次のとおりです。
授業料 | 滞在費(寮) | 生活費 | 合計 | |
1ヵ月 | 約12万円 | 約3万円 | 約5万円 | 約20万円 |
3ヵ月 | 約17万円 | 約9万円 | 約15万円 | 約41万円 |
半年 | 約32万円 | 約18万円 | 約30万円 | 約80万円 |
1年 | 約64万円 | 約36万円 | 約60万円 | 約160万円 |
ワーキングホリデーで授業とアルバイトを並行
社会人特有の留学方法といえば、ワーキングホリデー。韓国での就業が条件付きで許可されているため、午前は語学学校や語学堂で韓国語を学び、午後~夜や週末はアルバイトをする、という生活を送っている人がたくさんいます。
ワーキングホリデーの魅力は、韓国の社会で経験を積めるということ。日本での社会人経験を活かして販売業に就く人や、人気のコスメショップやカフェでアルバイトをする人もいます。
このような経験は、教室の中では決して得られない貴重な財産になるでしょう。
韓国語はどれぐらいで身につく?
社会人が韓国留学する場合、どうしても学生に比べて費用対効果を考えてしまうかもしれません。自分で留学資金を準備し思い切って韓国留学を実現させたものの、果たしてどれぐらいの効果が得られるでしょうか。
最も分かりやすいのが韓国語の語学力です。
韓国語の伸びは人によって千差万別です。最近は独学でかなり高いレベルまで勉強している人もいます。ここでは、一般的な韓国語が身につく目安を留学期間別にまとめました。
1~3ヵ月の場合
韓国語が入門~初級でスタートした場合、1ヵ月で読み書きができるようになり、3ヵ月程度なら日常生活における簡単な会話ができる程度の韓国語が身につくでしょう。ただし、少し複雑な会話や突発的な場面で対応することはまだ難しいでしょう。
韓国語の読み書きができ一問一答ぐらいの会話ができた状態で留学した場合、1ヵ月で会話がよりスムーズになり、3ヵ月でアルバイトができる程度の韓国語が身につくでしょう。
半年の場合
留学期間が半年になれば、韓国語はぐんと伸びます。例えば日常生活では、カフェやスーパー、病院などで自分の要求を伝え、相手の返事を正しく理解することができるようになります。
また、ドラマを字幕なしでもある程度理解できたり、簡単な通訳や翻訳をしたりすることも。ただし、大学の講義を聞いたりニュースを完全に理解したりすることはまだ難しいです。
1年の場合
1年間の韓国留学を経験すると、ある程度韓国語が身についたと自信を持てるでしょう。語学学校や語学堂の上級クラス(4~6級)を修了する人も少なくありません。
少し高度な韓国語を要する場面でもきちんと意思疎通ができ、問題を解決することができます。
また、会社での一般事務やビジネス関連の通訳翻訳なども問題がないでしょう。ワーキングホリデーで韓国留学する人は、アルバイトの活躍の場がぐんと広がり、いろいろな業種で仕事ができるようになるはずです。
社会人が韓国留学するときに必要なビザ(査証)の種類
社会人が韓国留学する場合、どのようなビザを取得しているのでしょうか。ここでは、主な3つのビザについてご紹介します。
観光ビザ
まず最も多いのが観光ビザ。90日以内の短期滞在が可能なので、短期留学の人は観光ビザで韓国に滞在しています。
学生ビザ(D-4)
学生ビザは民間の語学学校では対応しておらず、大学付属の語学堂へ通わなければなりません。
語学堂であっても、1学期(10週間)のみの参加であれば観光ビザで滞在することになります。2学期以上参加する場合、語学堂から入学許可書などの必要書類を受け取り、学生ビザを申請することになります。
観光就業(ワーキングホリデー)ビザ(H-1)
30歳以下という年齢制限はありますが、滞在費を支払う財政能力を証明することで申請ができます。
滞在期間は1年間で、滞在費を補うための就業活動が許可されています。ビザの申請にあたっては滞在中の活動計画書を作成しなければなりません。
社会人の韓国留学に関するよくあるご質問
社会人が韓国留学する場合、いろいろな不安や疑問の声が聞かれます。ここでは、よくある3つのご質問についてお答えします。
韓国留学の経験をその後の仕事にどう活かせますか。
社会人にとって、韓国留学の位置づけはさまざまです。韓国留学は自分への投資や休息、あるいは次のキャリアへのステップと考える人もいるでしょう。
いずれにしても、韓国留学の先を見据えたとき、どのような未来が描けるでしょうか。まずは具体的にイメージしてみましょう。
本来は留学期間が終われば日本へ帰国する予定だったにもかかわらず、もっと韓国で生活したいという気持ちが強くなる人も。留学期間を延長する人や韓国の大学へ進学する人、韓国の会社へ就職する人などがとても多く見受けられます。
韓国留学を経験した社会人であれば、韓国での留学体験や韓国語を活かせる仕事に就きたいと考える人が多いでしょう。
しかし、現実的には希望通りの就職は簡単なことではありません。その後、以前と同じ職業(業種)に戻った人もいれば、全く違うことにチャレンジしている人もいます。
社会人として韓国で経験したことは、どんな仕事であっても発揮する場面は多いにあります。
社会人で韓国留学へ行くのは遅くないですか。
留学というと、学生時代に経験するものだと考える人も少なくありません。実際に、日本の会社や年配の人の中にも、社会人の留学について肯定的に受け止めてもらえない場面があるでしょう。人によって考え方は違うものです。
しかし最近は、社会人が大学に通い直し、70~80代の高齢者が生涯学習の講座を受講する時代です。学びや経験に年齢はありません。思い立ったときがチャンス。今を逃すと時はさらに過ぎ、一生後悔することになるかもしれません。
もし周囲から反対されたら、ただそれを押し切るのではなく、きちんと説明して納得してもらえるように努力する必要もあります。
今後の計画を書き出し、韓国留学への想いをきちんと伝えることで、理解を得られるかもしれません。
会社を辞めてまで韓国留学へ行くメリットは何ですか。
韓国留学をしたいと思っている会社員にとって、一番の悩みは会社を辞めること。会社を辞めることは、大きなリスクを伴うからこそとても勇気が要ることです。でも実際に、会社を辞めて夢の韓国留学へと踏み出す人はたくさんいます。
今の時代は転職もめずらしくなく、どんどんステップアップを目指す時代です。自分のやりたいことや好きなことに投資をする人が多いのも現実です。
それが韓国留学であれば、将来は韓国語関連の仕事に就くだけでなく、はたまた韓国の大学や大学院の進学、韓国での就職などいろいろな可能性が広がっています。
会社を辞めて韓国留学へ行くメリットは、まさにその将来の「可能性」につなげることにあるといえるでしょう。
まとめ
社会人が韓国留学を考えるとき、学生時代のように簡単に決定できるものではありません。
一度社会に出たからこそ、会社や家族への責任、将来への不安などがどうしてもつきまとうからです。
それでも、今ここではできない素晴らしい経験が韓国で待っています。短期から長期までいろいろな留学方法の中から、自分の希望に合わせて選ぶことができます。
社会人の皆さんも、ぜひ韓国留学を実現させてみませんか。